
「納得したボールがいったときは絶対にぶっ飛ばされることはない」と自信ものぞかせる
20歳になった
吉田輝星は、自分のストロングポイントの現状を、こう捉えている。「納得したボールがいったときは絶対にぶっ飛ばされることはない」。前半戦は主に二軍生活が続いたが、自慢の直球の質、球威、スピードに関しては着実に自信を積み上げている。3年前の夏、聖地を沸かせた右腕は誰にも負けないストレートを今も追い求め続けている。
2018年夏の甲子園では、仲間と一緒に巻き起こした「カナノウ旋風」の中心にいた。大会No.1右腕という前評判以上のインパクトを放ち続けたのが、金足農高(秋田)のエース・吉田だった。チームを準優勝に導いた勝ち気な投げっぷり。浮き上がるような軌道の真っすぐ。打者をねじ伏せる姿。多くの野球ファンを魅了した姿が評価され、
日本ハムからドラフト1位指名された。
プロ入り後も直球のポテンシャルを引き出すことに重きを置いてきた。課題は安定感。高いレベルが出せるからこそ、安定した質の高さを発揮できるようにする。そのために、今季の二軍戦では直球のみで1イニングを投げ切るなどの条件を課されながらマウンドにも立っている。いかに長所を生かした投球をレベルアップさせられるか。試行錯誤を繰り返している現状だ。
冒頭のコメントは、その取り組みが形になり始めているという確信を実感している言葉だ。持ち前の気持ちの強さも変わらない。「前半戦は全く仕事をしていないので、後半戦はしっかり仕事をしたい」。あの夏のヒーローからチームのヒーローとなるときは、確実に近づいている。
写真=BBM