
DeNAからトレード加入した国吉佑樹。後半戦に移籍後初登板を果たすだけでなく、勝ち継投の一角として腕を振っている
ペナントレースの行方を左右する勝負の秋を迎えようとしている。
6月にDeNAからトレード加入した国吉佑樹が後半戦からブルペン陣の戦力としてようやく加わった。
8月14日の
オリックス戦(ZOZOマリン)で移籍後初登板。いきなり勝ちパターンの7回を任されると、1イニングを無失点。150キロ台の剛速球にフォーク、スライダーを交えて新天地で無失点デビューを飾った。
首脳陣、チームメートだけでなく、ファンからは昨年、
巨人から移籍で途中加入し、鮮烈なインパクトを残した
澤村拓一(現レッドソックス)と同じような活躍を期待されている。
「周りは澤村さんの後釜と言うけれど実績が違うし、一緒にされたら澤村さんに失礼かなと思う」
謙虚な言葉を口にするが、最速161キロを誇る身長196センチの剛腕セットアッパーならば、その役割を十分に担える。
移籍直後は、二軍でリハビリに取り組んだ。左ワキ腹に違和感を抱えていたためで、球団と話し合った結果、コンディションを万全にしてからチームに貢献することを選択した。期待してくれていたファンの心情を思いやり、「申し訳ない気持ちだった」と振り返りながらも、一軍昇格したときにどうするかを考えた。
「マリーンズの勝敗を毎日見てきた。どの順位にいるかも、僕の頭の中に入っている。ひとつでもいい順位にいけるように投げていきたい」
力勝負が多いと言われるパ・リーグで、剛速球で打者をねじ伏せることができる国吉は、球場全体の空気を変えることができる。やっぱり、ファンはそんな投球が大好きなのだ。
写真=BBM