
憧れだった地元球団で心機一転、気持ちを前面に出したプレーでファンを魅了する
新天地でビッグチャンスが目の前に転がっている。後半戦開始直前に
西武からトレードで加入した
佐藤龍世がレギュラー獲りへ奮闘中だ。「僕は守備のほうでは内野3ポジション、サード、セカンド、ファーストをしっかり守れるのが強みです」。移籍会見でアピールした中で今季から挑戦したセカンドとして9月はレギュラー格で出場を続けている。
最大の魅力は長打力を兼ね備えた打撃だ。
栗山英樹監督が「内野手でバットを振れて長打を打てる人はチームの中でずっと課題だった」と話すように、チームでは
渡邉諒や
野村佑希らがいるが希少価値の高い素材だ。今季は渡邉が不振だったが、代役も台頭していなかった中で、佐藤がすんなりと苦しんでいたポジションにはまった。
佐藤は
日本ハムが本拠地を置く北海道が地元だ。釧路に近い厚岸町の生まれで、高校は札幌市内にある高校野球の名門・北海高出身。「とても憧れていた球団なので、その球団に貢献できるように頑張りたい」と、心機一転のスタートとして奮起する材料もそろっている。ともに移籍した
木村文紀と一軍戦力としてチームの雰囲気も少しずつ変えている。
気持ちも前面に出しながらのプレーは、ファンも魅了される。必死に食らい付いていく打撃も、現状打破へ何とかしたい思いが姿から伝わる。また、近年は二塁のレギュラーを任されてきた渡邉にとっても刺激となる。先を見据えて、実績では上の渡邉に再びポジションを譲らないためにも、佐藤は猛烈なラストスパートを決めたいところだ。
写真=BBM