
前半は不調だったが、14年連続50試合以上登板を果たした宮西尚生
北の鉄腕は来季、偉大な記録に手をかけようとしている。ルーキーイヤーの2008年から続けてきたシーズン50試合以上登板は今季で14年連続となった。「初めて苦労したシーズンだった」。登板数はちょうど50試合。春先には不振による再調整期間も設けられた。勝利の方程式からも外れ、もがきながら、それでも必死に積み重ねた50試合登板だった。
不調だった14年目の前半戦は「何をやっても悪循環」だったという。肩ヒジは問題なかったが、下半身の違和感が投球フォームを狂わせていたという。「休みの期間が長かったので、そこでコンディションをしっかりと」。自身の体としっかり向き合い、徐々に不安を解消させながら、節目の50試合目は
栗山英樹前監督にとってのホーム最終戦。投手交代時には指揮官自らマウンドへ向かい、ボールを手渡された。「今の自分があるのは(栗山)監督のおかげ」。渡されたボールの重みを感じながら、偉大な記録へ向けて前進した。
来季もクリアすれば、元
中日・
岩瀬仁紀が持つプロ野球記録、15年連続に並ぶ。同じサウスポーとして尊敬し、残した足跡が宮西のモチベーションにもなっている。
苦しんだ21年シーズンを笑って振り返るには、来季の結果が大事になる。「来年はしっかり成績を残し、50試合登板をして、今年の50試合が本当に意味があったと思いたい」。現在、通算784試合に登板しており、岩瀬が持つもう一つの日本記録、1002試合登板の更新も目標の1つ。投げるレジェンドとして、22年シーズンも左腕を振り続ける。
写真=BBM