
経験値は最も高い右腕だ
現役では最多の11度目となる開幕投手へ、
涌井秀章が意欲を語った。昨年末の契約更改。2022年シーズンへの意気込みを問われた右腕は「(開幕投手と)言われてもいいようにつくっていくだけ。やりたい気持ちはもちろんあります」と真剣なまなざしで言葉に力を込めた。
昨季は歴代3位タイの偉業を成し遂げた。21年3月26日、
日本ハムとの開幕戦(
楽天生命パーク)。初めてパ・リーグだけで3球団での開幕投手を務め、7回4安打無失点で8対2での勝利に貢献した。開幕戦での通算勝利は6勝目。2リーグ制以降では9勝の
鈴木啓示、8勝の
山田久志に次ぎ、
村田兆治、
北別府学と並んで歴代3位タイとなった。
昨年の開幕戦後に語っていた言葉が、なんとも印象的だった。要した球数は116。3四球を与えるなど本調子ではなかった。それでも豊富な球種で、粘り強くコーナーを突いた。「辛抱強く、粘り強くが自分の持ち味だと思う。今日みたいにランナーを出しても最後の1本を打たせない。1点で止めるとか、そういう粘り強さを若い投手に見せていきたい」。シーズン最初のゲームで、若手への手本となる投球を見せた。
昨シーズンは21試合に登板し6勝8敗、防御率5.04。序盤は好調だったが、8月末には二軍落ちも経験した。その反省も生かすつもりだ。「自分がしっかり仕事をしていれば優勝できましたよね、という話も(球団と)してきました」。目指すはリーグ優勝。20年は11勝で最多勝を獲得した涌井が2年連続で大役を務め、チームを優勝へと導く。
写真=BBM