今季でプロ13年目を迎えた長野
プロ13年目の
長野久義が巻き返しを誓う。昨季はプロ入り後最少の71試合出場にとどまった。打率.216、2本塁打、13打点はいずれも自己ワーストの成績。オフには4500万円減の1億2000万円で契約を更改した(金額は推定)。「試合に出ないと面白くないし、勝たないと面白くない」。悔しい12年目を終え、引き締まった表情だった。
2006年の日大4年時、08年のホンダ2年目と2度受けたドラフト指名をいずれも拒否し、10年にドラフト1位で
巨人に入団。19年1月には巨人へFA移籍した
丸佳浩の人的補償として
広島に移籍した。広島入団当時は「(チームを)引っ張るのは無理なので、みんなについていけるように」と謙虚に意気込みを口にしていたが、気付けばチーム最年長。いやが応にも鯉ナインをけん引する立場となった。ルーキーとともにノックを受けているときには積極的に声掛けする姿が目立つ。周囲から「長(ちょう)さん、長さん」と親しまれている様子からも、その頼れる人柄が感じ取れる。
オフには奄美大島で
西武・
内海哲也らと自主トレを敢行。「下半身をしっかりつくり直して、春先からいい状態でシーズンに臨めるように」。春季キャンプは実績を考慮され、二軍でマイペース調整を許された。キャンプインを前に新型コロナに感染するアクシデントもあったが、2月11日には合流。シーズンに向けて、根底にあるのは「1試合でも多く試合に出たい」という思いだ。
11年には首位打者、12年には最多安打のタイトルを獲得した巧打者。「やっぱり(昨季は)個人的な成績も申し訳なかった」。37歳、まだまだやり足りない。
写真=BBM