
昨季は打点王に輝くなど勝負強い打撃も魅力だ
春季キャンプ第1クール。球団としても「恒例行事」となっているのが、2月2日、
島内宏明の誕生日祝いだ。新型コロナウイルスの影響もあってか祝福の方法も変わってきたが、毎年のように後輩から顔面にケーキをぶつけられてきた。それでも、屈託の無い笑みを見せる。その柔和な表情を見ても、愛される理由が伝わってくる。
昨季の打点王だが、入団当初からいじられキャラ。本塁打を放った後など、試合中の一風変わったコメントは「島内語録」と呼ばれ、ファンにも愛されている。キャンプ中、プロ11年目の目標を問われると「今年は新人王を獲りたいですね。それぐらいのフレッシュさを持って頑張っていきたい」と、真剣な表情で語った。いったいどこまでが本気で、どこからが冗談なのか。発言の真意は読めないが、「天然キャラ」でチームを盛り上げている。
ただ投手を対峙すると、その眼光に鋭さが増す。3月9日、
ヤクルトとのオープン戦(静岡)。0対0で迎えた3回二死二塁の場面では、相手先発・
小川泰弘の変化球にタイミングを外されながらも、うまく左前へ運んだ。価値ある先制打を放って3対1の勝利に貢献。2年連続での打撃タイトル獲得へ、しっかり調子を上げている。
本拠地・
楽天生命パークのロッカールームには重さなどが違うさまざまな種類のバットを数十本以上も置いていた。1シーズンを戦い抜くための準備を怠らない。ヒットメーカーはそのバットで、今年もチームを勢いづける。
写真=BBM