
シーズンは始まったばかり。中村奨は虎視眈々と、二軍からレギュラー獲りを目指す
今季外野に本格挑戦しているのは
中村奨成だ。昨季は捕手をメーンに外野守備にも取り組んでいたが、新シーズンに向けては外野がメーン。守備に就いたオープン戦10試合はいずれも外野だった。「キャッチャーにすごいこだわりがあったが、今年は試合にたくさん出たいので(守備位置に)こだわらず、キャッチャーも外野も練習して試合に出させてもらえるように」と、出場機会への貪欲な思いが中村奨に外野グラブを持たせた。
春季キャンプのときには「本格的に(外野を)やるのは初めてで不安も多い」と本音を吐露していた。「数をやるしかない」と覚悟を決めると、右翼、中堅、左翼とまんべんなく打球捕やノックを行った。「不器用な選手だから練習を繰り返しやらないといけない」とゲキを飛ばし、連日ノックを打っていたのは、
河田雄祐ヘッドコーチ兼外野守備・走塁コーチ。「手抜くな」「捕る位置が違う」「送球はこうだ」。大きな声で叱咤激励し、若手野手の上達に一役買った。「何とか無難にこなせるようになった」と胸を張ってシーズンインを迎えた。
チームの外野陣は
西川龍馬のレギュラーが確定しているが、残りの2枠にレギュラーはいない。ルーキーの
末包昇大や野手キャプテンの
野間峻祥、チーム最年長の
長野久義。さらに、
宇草孔基や
大盛穂らがその定位置の座を狙っている。「もちろんレギュラーを獲りたい。結果を出し続けてスタメンをずっと獲れるように、そういう気持ちでやりたい」。今季プロ5年目を迎えた2018年ドライチが、外野の定位置確保に燃えている。
写真=牛島寿人