
開幕投手に抜てきされるなど、ルーキーながらBIGBOSS野球の象徴として活躍する北川[左]
開幕から欠かせない戦力としてフル回転しているのが
北山亘基だ。ドラフト8位入団の右腕は、半年前の評価をいい意味で大きく覆した。150キロ台の直球は強く、速く、重い。初速と終速の差が少なく、フォークやスライダーといった変化球でもストライクが取れる。春季キャンプやオープン戦で成長しながら実力をアピールしたルーキーは、新生ファイターズの旗手となった。
開幕2日前の3月23日、BIGBOSSから開幕投手として発表された。SNSでの発表も超異例だが、新人右腕の抜てきも球団66年ぶり2人目。北山は「こんな機会は本当にない。プラスに考えてポジティブに捉えて挑戦していきたい」と、意気に感じた。もの怖じしない強い心が、大活躍の土台にある。
勉強熱心で、京産大進学前から投球のメカニズムを自ら解析し始めた。体の仕組みや投球動作のポイント、トレーニング法などを理論的に突き詰めた。京産大への進学理由も、指導方針と自らの目指す方向性が同じだったから。蓄えた豊富な知識は、プロの先輩たちもうならせる。エース・
上沢直之からは「教授」と異名を付けられ、ファンにも浸透した。
プロのマウンドでも圧倒している直球や新人離れした度胸は、地道に積み重ねてきた努力の結晶だ。開幕戦以降はクローザーやセットアッパーとして、しびれる局面を任されて勝利もセーブもホールドも記録。ここ2試合は続けて失点し、4月26日の
オリックス戦(東京ドーム)では初の黒星を喫したが、貴重なリリーフ右腕であることに変わりはない。支配下選手ではブービー指名でも、チャンスを生かして成り上がった北山はBIGBOSS野球の象徴だ。
写真=BBM