
新天地でもリリーバーとして存在感を発揮している又吉
今季からFA移籍で加入した
又吉克樹が、古巣・
中日に「恩返し」を誓う。「お前、何してんの? と言われないように頑張りたい。気持ちよく送り出してくれた(中日監督の)立浪(和義)さんたちにしっかりやっているなと思われるように。自分で自分を引き締めてやっていきたい」。新天地ではセットアッパーとして開幕から登板する右腕は、腕をまくる。
昨季の交流戦は抑えとして10試合に登板し、セ・リーグ3位の7セーブをマーク。防御率も1.80と安定感が光った。8年間在籍した中日を離れることへの葛藤はもちろんあった。「中日で何とか優勝を、という気持ちはあったけど、環境を変えて違う野球を知れば、もっと自分の可能性を引き出せるんじゃないかという思いがずっとあった」。そんな中で背中を押してくれたのは、立浪監督のひと言だった。「『野球人として福岡で頑張ってこい』と言ってもらえた。すごく感謝している」と決断の裏側を語った。
ソフトバンクの入団会見時に「ルーキーの気持ちでやりたい」と決意を語った右腕は、いまやチームに欠かせない存在となっている。5月18日に沖縄セルラースタジアム那覇で行われた
西武戦では、自身7年ぶりに凱旋登板を果たし、1回を無失点で大歓声に応えた。
「中学、高校と補欠だった人間がマウンドに上がって、ここでヒーローインタビューを受けるなんて、10年前の自分に言っても信じないと思う。一生の思い出に残る登板になりました」。交流戦でも快投を続け、地元をさらに盛り上げる。
写真=BBM