
オールスター第2戦MVPの勢いままに、後半戦に挑む柳田
昨季は8年ぶりのBクラス4位。悲願のリーグ優勝奪還を狙う今季は、新型コロナウイルスの感染者が相次ぐアクシデントや主力の故障などを乗り越えて首位を争っている。勝負となる後半戦に向けて、カギを握るのは主砲、
柳田悠岐だろう。7月28日現在、70試合に出場し、打率.276、13本塁打、48打点と柳田としてはやや物足りない数字が並ぶが、それでもチーム内ではトップの決勝打10本(うち本塁打5本)と、ここぞの場面での勝負強さは健在だ。
プロ12年目、34歳を迎える今季は左肩腱板炎でシーズン序盤の4月上旬に出場選手登録を抹消された。さらに7月中旬には左ヒザ痛を訴えるなど、決して万全な状態でペナントレースを戦えているわけではないが、柳田らしい印象的な一打もあった。5月3日の
オリックス戦(PayPayドーム)だ。3対3の6回一死満塁で、球界を代表する
山本由伸の153キロの直球をとらえ、左中間テラス席に決勝のグランドスラムを放り込んだ。
「最後は神頼みというか、打った瞬間に『神様ありがとう』と言いました」
山本にとってはプロ初の満塁被弾だった。チームの連敗も4で止めると、“ギータ節”も全開だった。
2019年のシーズン終了後には7年契約を結び、契約満了となる26年での引退も明言した。今季は入団時から指導を受ける
藤本博史監督から請われてキャプテンに就任している。「もう本当に優勝だけ。藤本監督を胴上げしたい」。最高の秋を迎えるためにも、後半戦でのギータの爆発は欠かせない。
写真=湯浅芳昭