金の卵・高橋宏斗が32年ぶりに球団の日本人最速記録を塗り替えた。7月7日の
DeNA戦(横スタ)。初回に自己最速を更新する158キロをマークした。
先頭・
桑原将志の3球目に156キロを投げて、まず自己最速をマーク。次打者・
大田泰示との対戦で158キロをたたき出した。カウント2-2からの5球目だった。空振り三振を奪った。
球団最速は絶対抑えの
R.マルティネスが2020年にマークした161キロ。一方で、日本人投手にとっては、並べても抜けない157キロの壁があった。1990年に前監督の
与田剛が記録した。
その後、11年には
浅尾拓也が、14年には
福谷浩司が、ともに157キロをマーク。新たな挑戦者となった高卒2年目右腕は、球団の和製速球王の肩書きを手にしたことになる。
一軍デビューイヤーとなる。登板間隔を空けるチーム方針もあって、前半戦は心身ともに万全を期してマウンドに上がった。オフの自主トレでは旧・速球王、福谷と自主トレして体の仕組みを学び、開幕してからは小笠原とともに時間を過ごす。治療院の紹介も受けたという。
「昨季は、150キロを打たれたら155キロを投げればいいと思っていました。速いボールで打たれたら仕方ないや、ぐらいでした。トレーニングをして、まだスピードが出そうな感覚もあります。カウントを取れて、決め球にもなる真っすぐを目指していきます」
後半戦スタートの初戦、7月29日の
広島戦(マツダ広島)は8回一死までパーフェクト投球。続く8月7日のDeNA戦は7回途中降板ながらゼロに抑えて2試合連続無失点で2連勝。今やチームで最も安定感のある投手だ。
写真=BBM