
リードオフマン・周東の足は、やはり脅威だ
歴史的大混戦の中でも快足がキラリと輝いた。9月13日の
西武戦(PayPayドーム)。5回一死二塁から、
周東佑京は左翼への適時二塁打。自慢の俊足を飛ばして三塁を狙うもタッチアウトになったが、7回一死二塁からはリベンジとばかりに右翼への適時三塁打を放った。首位攻防戦のお立ち台に上がり、「
デスパイネに『足が遅いな』と言われたのでしっかりと頑張りたいです」と笑いを誘った。
昨秋の右肩手術の影響もあり、開幕は出遅れたが、5月下旬に一軍昇格。打撃の状態も良く、欠かせない存在となった。いつしかSNS上ではファンの間であるパワーワードが広がっていた。『#周東は一塁でも得点圏』。周東が一塁に出塁するだけで得点につながるという意味だ。
きっかけは8月9日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)のワンプレーだった。5回に一死からセーフティバントで出塁。続く
今宮健太の3球目にスタートを切ると、今宮は右前に転がした。スピード乗った周東は一気に生還。単打で本塁を陥れてみせた。今宮からは「とにかく周東がよく走ってくれました。周東が取った得点だと思う」と感謝されると、周東も「本気で走りました」と汗を拭った。
ツイッター上でトレンド入りすると、本人も目にしていたようだ。「知っています。そういうのが出来上がってくれば、相手の守備もそうだし、バッテリーも警戒してくれると思う。どんどん取り上げてほしい」と喜んだ。8月下旬には新型コロナで一時離脱したが、元気な姿で帰ってきた。周東が出塁すれば、ホークスには得点の予感が漂ってくる。
写真=湯浅芳昭