
攻守でチームを引っ張る選手会長の今宮
シーズンも残りわずか。壮絶なペナント争いを繰り広げているチームで存在感を示しているのが
今宮健太だ。今季はすでに規定打席を上回り、9月22日現在、リーグ4位の打率.296をマーク。自身初の3割フィニッシュも見えてきている。規定打席到達はキャリアハイとなる打率.264、14本塁打、64打点の成績を残した2017年以来5年ぶり。さらに、同年以来となる球宴出場も果たすなど、見事な復活を遂げたと言っていい。
開幕前にはメジャー・リーグ通算109本塁打を誇る新外国人のF.
ガルビスとの激しいポジション争いが予想されたが、しっかりと結果を残して定位置に返り咲いた。主力選手が故障や新型コロナウイルス感染などで相次いで離脱していく中で、ほぼ1年間遊撃のポジションを守り抜いている。新型コロナ感染者との濃厚接触の疑いで5月中旬に出場選手登録を抹消されたが、わずか7日後には一軍に復帰。今宮自身ここ数年は度重なる故障に苦しむことが多かったが、今季は
甲斐拓也と並んでチーム最多となる127試合に出場。徹底した自己管理でチームを先頭で引っ張ってきた。
充実のシーズンをよりよいものとするためにはリーグ優勝が不可欠だ。9月13日の
西武戦(PayPayドーム)で規定打席に到達した際には「大きなケガなくプレーできている結果だと思います。明日からもチームのために力になっていくだけです」とコメント。個人記録よりチーム優先の姿勢を貫いた。今季から選手会長も務める31歳が、チームを2年ぶりの頂点に導く。
写真=湯浅芳昭