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ルーキーイヤーから2年連続20本塁打に到達した牧
本拠地の後押しを背に、今年で最も勢いに乗っていた。8月21日の
広島戦(横浜)。序盤に3本のソロ本塁打で主導権を握り、完封リレーで逃げ切った。この勝利で横浜スタジアムでは17連勝と、後半戦の好調ぶりを象徴する一戦だった。
勝利をぐっと近づけたのは若き四番打者の
牧秀悟だった。初回に
楠本泰史、2回には同い年で先発投手の
京山将弥がプロ初本塁打を放って迎えた3回。
大道温貴の直球を左中間スタンドへはじき返した。自身3戦連発となったこのアーチで球団初のルーキーイヤーから2年連続での20本塁打を記録した。「あれ(京山の本塁打)を見せられたので野手は何とかしないとまずいなと思ったので。京山さまさまです」と仲間を持ち上げた。
プロ2年目は開幕から不動の四番を務めた。序盤は快調に数字を積み上げたが、他球団から厳しいマークを受け、6、7月と調子を落とした。しかし、チームの上昇とともに本来の打撃を徐々に取り戻し、8月からはきっちり復調。「自分のことよりも、チームが勝とうという気持ちの中でやっている。それがすごくいい形でホームランにつながった」とチーム一丸で作り上げた流れにも乗せられた。
この試合の勝利で最大17.5あった
ヤクルトとのゲーム差を4まで縮めた。怒濤の勢いは最後までは続かず、ヤクルトにリーグ2連覇こそ許したが、奇跡の逆転優勝を期待させる戦いぶりだったのも事実だ。
三浦大輔監督の続投が決まった来季は頼れる四番がけん引し、悲願の頂点をつかんでみせる。
写真=BBM