
今季は45ホールドポイントで最優秀中継ぎ賞を獲得した湯浅
ここまで急成長するとは予想だにしなかった。早くも来シーズンのクローザーとして名前が挙がっているのが4年目で成長著しい活躍を見せた
湯浅京己だった。
しかも昨季まで一軍で登板したのは、わずか3試合のみ。高校時代、プロ入り後も故障が多かったこともあったが、リハビリなどじっくりと鍛えられてきた。
「僕を育ててくれた両親をはじめ、お世話になった方々を喜ばせることのできるピッチャーになりたいです」
2019年にドラフト6位で
阪神入りした際に湯浅が発した一言だ。今シーズンのパフォーマンスは将来のスター候補を証明するものだった。
今季7試合目の登板でプロ初黒星を喫した。4月12日の
中日戦(バンテリン)では1対0で投入された。「8回の男」が3安打1四球で逆転されたのはターニングポイントだった。
聖光学院高の3年夏にチームは甲子園出場もベンチ入りできず、独立リーグBCL/富山で力をつけた雑草魂は、へこたれることなく場数を踏むごとに自信を深めていった。
レギュラーシーズンは59試合に登板し、45ホールドポイント、防御率1.09で最優秀中継ぎ賞を獲得。セットアッパーとして被打率.185、被本塁打1の安定感だった。
「自分が与えられた場所、ポジションで、自分がやるべきことをやるだけです」
CSファーストステージの
DeNA戦(横浜)は2試合に投げて、いずれも「イニングまたぎ」でファイナル進出に貢献。ポストシーズンは5年目の区切りに向けて弾みをつけた舞台となった。
写真=BBM