
守備、打撃で着実に成長の跡を見せている森
来季は勝負の年となる。
森敬斗はドラフト1位で桐蔭学園高(神奈川)から入団し、3年目を終えた。1年目から出場試合数を着実に伸ばす一方で、レギュラー定着には至っていない。ポテンシャルの高さや周囲の期待値を考えれば現状は物足りず、来季こそ定位置奪取が求められる。
今季は春季キャンプで、猛アピールを続けたがオープン戦で走塁中に負傷。右太もも裏の肉離れと左足首の捻挫で、一軍昇格は6月までずれ込んだ。その後も遊撃手としてベテランの
大和や
柴田竜拓と併用が続き、61試合の出場で打率.234に終わった。
ただ、成長ははっきりと見て取れた。昨季に比べ、守備の安定感は格段に増し、持ち前の強肩を生かした他の遊撃手では奪えないアウトをもぎ取る場面も少なくなかった。
「去年だといっぱいいっぱいになっちゃってミスしたらどうしようとか考えていたけど、今年はそこまで不安に思うことはなかった。それは大きな成長」と手応えを感じている。
打撃では結果を欲しがるあまりに当てにいくスイングをしていたが、主将の
佐野恵太から強く振る重要性を説かれて意識を変え、9月は月間打率.311と成績を伸ばした。
石井琢朗野手総合コーチは「この秋どれだけやって、来春を迎えるか。まだ若いけど、勝負の年になるんじゃないか。期待しているし、僕らもちゃんとやらなきゃなと使命感は感じている」とハッパを掛ける。森も「気を引き締めて秋から春としっかりやって来年出ていけたら」と気合をみなぎらせている。
写真=BBM