
ケガから復帰はした又吉だったが、最後まで登板は叶わず
福岡での初年度を「激動」という言葉で振り返った。
又吉克樹は
中日からFAで加入。開幕からセットアッパーを任されてフル回転していたが、7月8日の
日本ハム戦(PayPayドーム)で打球を処理する際に右足甲を骨折した。懸命のリハビリを続け9月下旬に実戦復帰。
オリックスとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージで一軍登録を果たしたが、マウンドに立つことなく今シーズンを終えた。
「激動でした。新型コロナになって、キャンプも間に合わないままシーズンに入って、ケガがあってリハビリがあって。最後に戻れたのは、いいときも悪いときもあったなと」と振り返った。1月の自主トレで新型コロナに感染し、新天地でのキャンプも出遅れた。それでもきっちりと開幕に間に合わせ、3月29日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)では移籍後初勝利。開幕から18試合連続無失点と抜群の安定感を誇った。
ただ、5月下旬ごろから失点も目立つようになり、チームの勝敗にも直結した。そして悪夢の骨折。ファンからは「又吉広報」とも呼ばれる右腕は、自身のツイッターで「自分自身も音が聞こえた骨折は初めて」と報告していた。その後もリハビリ過程をSNSを通じて発信するなど、1日も早い復帰を目指して全力を注いだ。
熾烈な優勝争いを繰り広げた最終盤には一軍に同行した一方で、大事な試合で打たれ涙した
藤井皓哉や
泉圭輔を見守るしかできなかった。「ただ試合を見ることしかできなくて、それがすごく悔しかった。ふがいなさを感じた」。来季は1年間マウンドに立ち続け、今季の悔しさをぶつけるのみだ。
写真=湯浅芳昭