
ジョーカーからの脱却を誓う牧原。目指すは中堅のレギュラーだ
宮崎・生目の杜で11月3~18日まで行われた秋季キャンプ。若手に交じって汗を流したのは30歳の
牧原大成だった。今季は自己最多の120試合に出場して打率.301、6本塁打、42打点、13盗塁。多くの数字でキャリアハイを達成し、充実の1年となった。キャンプ期間はシーズンの疲労回復に充てる選択もあったが、参加を志願。さらなるステップアップを目指す意気込みが行動に表れた。
プロ入り13年目の来季、目標は『ジョーカー』卒業だ。俊足好打に加えて内外野の守備を高水準でこなせる牧原大を、
藤本博史監督は今季開幕直後からここぞの切り札として「ジョーカー」と名付けた。シーズン中盤からは離脱が相次いだ主力の穴を埋める形でスタメンに名を連ね続け、最終的には規定打席到達に残り「2」まで迫った。「残り2打席という悔しい思いもあった」。だからこそ、来季は1年を通してスタメンを勝ち取るつもりだ。
秋季キャンプでもアピールを続けた牧原大に対し、藤本監督は「一番よく打っている。自分から進んで(キャンプに)来て、しっかりやっているのはいいこと」と第2クールのMVPに選んだ。来季に向けては中堅のポジション一本で勝負する意向を口にしている本人も、「来年は『ジョーカー』としてじゃなく、レギュラーとして試合に出られるように。そうなれば、おのずと規定打席には届くと思うので」と鼻息は荒い。最高のユーティリティープレーヤーから不動のレギュラーへ。2023年は牧原大にとって大きな挑戦の1年となる。
写真=湯浅芳昭