
1年目は開幕投手のサプライズ抜てきから始まり最終戦最終回のマウンドも託された
今季の投手陣で最もマウンドに上がったのが、
北山亘基だった。55試合に登板したドラフト8位ルーキーだが、それぞれ中身が濃かった。キャリアのスタートは
新庄剛志監督の初陣となった3月25日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)での開幕投手。指揮官からSNSで通達され、世間にもSNSを通じて発信されたサプライズ抜てきだった。
開幕戦はショートスターターとして2回2安打無失点と大役を全うしたあとは、ブルペンの中でさまざまな役割を担った。4月3日の
オリックス戦(京セラドーム)では同点の7回に登板してプロ初ホールド。同6日
ロッテ戦(札幌ドーム)では同点の9回のマウンドを無失点に抑え、その裏にチームがサヨナラ勝ちしてプロ初勝利。同12日
西武戦(ベルーナ)では3点リードの9回に登板してプロ初セーブを挙げた。
同26日のオリックス戦(東京ドーム)では同点の9回から登板し、回またぎとなった延長10回に失点してプロ初黒星。交流戦最初のカードとなった
ヤクルト3連戦(神宮)では、最初の2試合でサヨナラアーチを連日被弾。リベンジを期した3戦目でも登板し、勝利を締めくくって涙。開幕からの約2カ月間だけでも、濃密な時間を過ごした。
チームの今季最終戦となった10月2日の西武戦(ベルーナ)では最終回のマウンドを任されて今季9セーブ目を挙げた。開幕投手に続いて“終幕投手”を任せた粋な采配に加え、チーム最多登板という実績を残した北山に新庄監督が寄せる大きな期待も伝わってきた。
写真=BBM