
先発の柱として、選手会長として、2023年の大瀬良は1年間戦うことを誓う
新井貴浩監督は就任1年目の改革の一つとして、キャプテン制の撤廃を決めた。「俺がチームを引っ張るという気持ちをみんなに持ってほしい」という思いが理由。「全員キャプテン」という中で、チームリーダーは自身も2021年に投手キャプテンを務め、23年が選手会長2年目となる
大瀬良大地に一本化となった。
22年シーズンは8勝9敗で、先発
メインシーズンでは自身初の負け越し。マウンドでチームを引っ張ることはできなかった。だが、存在感は成績だけでは測れない。8月12日の
巨人戦(東京ドーム)で3回5失点KO。翌日に登録抹消が決まったものの、グラウンドに姿を見せ、
広島に戻る前にチームメート一人ひとりと直接言葉を交わした。自身の苦悩は隅に置き、チームを最優先に考えているからこその行動だった。
22年は個人的にも大きな変化があった。5月12日に待望の第一子となる長男が誕生。パパ初登板となった同20日の
中日戦(マツダ広島)でパパ1勝目をつかんだものの、最後は悔しさだけが残る。「情けないシーズン、その一言に尽きる」。子を持つ親となった責任感も、23年の巻き返しの糧となるはずだ。
「求められるのは1年間ローテーションを守り抜くこと」として4年連続で務めてきた開幕投手にもこだわらない考えだ。「ローテを守れば数字はついてくる。その中で選手会長としてやるべきこともたくさん。新井監督がやりたい野球、求めているものを先頭で体現して、若い選手たちに姿としても言葉としても伝えていけるように」。すべてはチームのため、輝きを取り戻す。
写真=BBM