昨季、プロ3年目で初めて一軍登板なしに終わった浜屋将太。その並々ならぬ悔しさが2023シーズンの何よりの原動力となる。目指すのはシーズン通しての先発ローテーションの一角だ。

「昨年は一軍の投手陣がすごくよかった中で、その先発陣たちを食えるように一生懸命やっていきたい！」

　特に今年は昨年まで中継ぎの柱としてチームを支えていた、同じ卯年の平良海馬の先発転向がすでに決まっているだけに、なおさら鼻息は荒い。

　試行錯誤が続いた昨年だったが、フェニックス・リーグで光明が見えた。

「もともと左足、左側に意識を置いていたのですが、内海哲也新投手コーチから『右側に変えたらどうか』と言われて。で、投げるときに着くその右足を、水たまりの中に足を着いて、ポチャンと(水しぶきが)立たないように、静かにゆっくり着くイメージというのを教わりました」

“ゆっくり”を意識することで溜めができ、本人が自覚する「上半身が突っ込む」悪い癖が改善されたという。また、「これまで球速を上げようとして腕の位置を上げていたのですが、やめて低くしたことで目いっぱいではなく、7割程度の力感で自分が思ったとおりの球が行くようになった」と手応えも実感。実際、秋季キャンプでは豊田清一軍投手コーチも「浜屋が楽しみ」と一目置いていた。

　希少だった左腕枠に、昨季から同じく年男の隅田知一郎、佐藤隼輔が加入し、大いに触発された。

「入ってきたときから左が増えるというのは嫌だった。隅田、佐藤の投球を見て、『超えていかなければいけない』と思いました」

　持ち前の負けん気を前面に出し、誰よりも飛躍の1年にしてみせる。

写真＝BBM