
チームスローガンに「走魂」を掲げ、スピード感あふれる野球を展開していく
「走魂」
松井稼頭央監督が熟考に熟考を重ねた末に選んだスローガンだ。そこには並々ならぬ思いが込められている。
「『走』は、ただ走るというだけではなく、グラウンドを躍動する姿勢。また、投手、野手、そしてファンの皆さんと一緒に最後までシーズンを完走できるようにとの思いから。『魂』は、しっかりと相手に向かっていく姿を見せる。また、ファンの皆さんに、どんな試合展開になろうとも、最後まであきらめない姿をチームとして見せていきたいという思いで決めました」
自身、現役時代に3度の盗塁王に輝いたが盗塁以外でも常に次の塁を目指し、相手の隙を一瞬たりとも見逃さない走塁を心掛けてきた。
「安打が二塁打になるケースもあれば、二塁打が三塁打になるときもある。その『そこ行くんか? 行かんのか!?』というのが、ファンの方もベンチも一番盛り上がる」
その瞬間に醸し出される雰囲気、「行け!」というファンの声援がどれだけ積極的な走塁を後押ししてくれるかを誰よりも経験しているからこそのこだわりなのだ。
また、昨季は夏場に首位に立ちながらも、足場固めをしたかった9月に入り一気に失速した反省から、「最後まで走り切る」は重要なテーマ。終盤で優勝戦線に加われるか。そこからの勝負どころで、もうひと段階ギアを上げられるか。シーズン通して結果を出すべく、選手一人ひとりに強化、成長を求めていく。
「野球はエンターテイメント」と新指揮官。キャンプインを遅らせたように、慣習にとらわれることなくアグレッシブで魅力的な野球、チームを作り上げていく。
写真=BBM