今年から広島を率いることになった新井監督
チーム再建に向けて、
新井貴浩監督が一貫して掲げるのは『カープ伝統の復活』。「猛練習」「育てて勝つ」、もう一つは「走り回る野球」だ。昨季は12球団最少で球団ワーストの26盗塁。指揮官は「足が速い・遅い、盗塁ができる・できないではなく、全体的に走塁への意識を高めていく」と機動力野球の復活に力を込めた。
日南キャンプでは、序盤から走塁改革に本格着手した。第2クールから始まったシート打撃では、大半を走者一塁の状況で実施。積極的にスタートを切る意識をチーム全体に植え付ける取り組みの一環だ。「(現段階で)結果は関係ない。失敗してもいいから、どんどんトライしていこう」と指揮官。野間をはじめレギュラークラスの中にも脚力のある選手はいる。昨季、チーム打率.257はリーグトップ。好打者は多いからこそ、機動力が備われば得点力は大幅にアップするはずだ。
4年連続でBクラスに沈むチームの課題は多い。絶対的守護神・
栗林良吏へとつなぐ中継ぎ陣の整備も欠かせない。昨年12月に現役ドラフトで
巨人から
戸根千明が加入。松田元オーナーも「キーパーソンになるんじゃないか」と大きな期待を寄せている。
昨季は7、8回を固定できなかったことも大きな敗因となったが、
矢崎拓也が存在感を放った。
森浦大輔、
松本竜也の成長も期待。新井監督はキャンプで連日、ブルペンで打者目線から投手陣にアドバイスを送る。一番競争して欲しいポジションは「中継ぎ」と言うほど重要なポイント。『機動力』と『勝利の方程式の構築』という課題をクリアしてこそ、5年ぶりリーグ優勝への道が見えてくる。
写真=BBM