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広島・秋山翔吾 言葉で、行動で、チームに絶大な影響力/わがチームのムードメーカー

 

ベテランになっても率先して動き、後輩たちに背中で見せる秋山


 今春のキャンプの終わり、秋山翔吾は若手に対して感じた思いを言葉にした。「設備の面もあると思うが、(全体練習以外で)もっと一人きりで自分と向き合って没頭する時間があってもいい」。もちろん、それぞれやり方はある。だが、自身を含めた主力組を脅かすようなアピールを見せた若手が少なかったと感じたからこその“辛口エール”だった。

 4月16日に35歳を迎える。キャプテンのような肩書こそないが、チームを引っ張る意識とともに後輩たちが自分の背中を見ていることを強く自覚する。練習ではランニングメニュー一つ取っても、若手を圧倒するような走りを見せる。「ベテランがあんなにはしゃいだら、若手はうっとうしいでしょうね」と笑う一方で、「口だけの人間は評価されない。あれぐらいやるんだな、と思ってもらえたら」と若さみなぎる姿でチームに刺激を与えようとしている。

 明るくチームを盛り上げるだけがムードメーカーではない。秋山とともに上位打線を支える活躍が期待される野間峻祥は「言葉一つにしても、行動一つにしても、引っ張っていってくれる。打つほうも、守備も、考え方においても、勉強になる部分は多い」と、中堅選手たちにとっても受ける影響は大きいようだ。

 昨季途中に加入し、今季は開幕からチームの一員としてシーズンをスタートさせる。「このキャリアになると、しっかり1年間戦い抜いて、チームの勝ちにどれだけつなげられるかのほうが大事」。頼れるベテランとして、ここからはプレー、成績でもチームの先頭に立って5年ぶりAクラスへと導く。

写真=桜井ひとし
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