
開幕から安打を重ねる秋山は、5月16日のDeNA戦(横浜)にNPB通算1500安打を達成
ゴールデンウィークが終わった28試合終了時点までに
秋山翔吾が放った42安打は、12球団トップ。
西武時代にシーズン216安打のNPB新記録を樹立した2015年に匹敵する量産(214.5安打ペース)ぶり。天才的なバットコントロールは、35歳になっても健在だ。
「年がいもなく喜び過ぎてしまった」と振り返ったのは、35歳誕生日の前日の4月15日の
ヤクルト戦(マツダ
広島)だ。9回二死一塁から放った逆転サヨナラ2ランは、西武時代の12年9月5日の
ソフトバンク戦(西武ドーム)以来11年ぶり自身2本目の劇的アーチ。翌日の誕生日は、西武時代の15年に始めた、ひとり親家庭の支援活動で13組27人を招待した一戦で5点差からの逆転を呼ぶ猛打賞をマークした。
昨年6月末、3年ぶりに日本球界に復帰して広島の一員となった。だが、2度の離脱もあり44試合で打率.265。不本意に終わったメジャー時代の成績や年齢を考えれば、そのまま下降線をたどっても不思議ではなかったものの、希代のヒットメーカーは違った。「普通のオフの過ごし方じゃ無理」と追い込んだ成果が、しっかりと成績に表れている。
5月17日現在、全試合で三番に座る。チームでは4人が全試合出場を続けるも、フルイニング出場は秋山ただ1人だ。「今日は休んでもいい、途中交代OKという考えになっていくと、“代謝”がどんどん早くなって淘汰されていくという選手を見てきた」。グラウンドに立ち続け、1本でも多く安打を積み重ねながらチームをけん引していく。
写真=BBM