
連勝記録はどこまで伸びる!? 今後も甲斐の打点に注目だ
交流戦開幕となった5月30日の
中日戦(PayPayドーム)。1点リードの2回二死一塁で、九番の
甲斐拓也が左翼フェンスを直撃する二塁打を放った。一塁走者の
周東佑京が快足を飛ばし一気にホームイン。「思い切って自分のスイングをすることを考えた。佑京がよくホームまで走ってくれた」。さらに、6回には左越えの2ランを放つなど今季初となる3打点の大暴れで、12球団最多8度のVを誇る交流戦の白星スタートに貢献した。
この日は4回にも右中間への二塁打を放っており、今季初の猛打賞も記録した。約1カ月半ぶりに打率は2割台に浮上。ただ、そのバットは数字以上にキラリ。交流戦前ラストカードとなった5月27日の
ロッテ戦(PayPayドーム)でも2本の長打を放つなど、甲斐が打点を挙げれば今季は12戦12勝。昨年5月7日のロッテ戦から28連勝中だ。
勝利を呼ぶ“甲斐打点”だが、本人は「あまり考えていないというか、そういうのを言われるのは僕はあまり好きじゃない」と冷静な目を持つ。同時に「僕が塁に出て上位につなげばチャンスは広がる」。下位打線としての自身の役割は十分に理解している。
藤本博史監督も「甲斐が打てば、つながりもすごく良くなりますよね」と、勝敗のカギを握る九番打者のバットに期待。
近藤健介、
柳田悠岐、
栗原陵矢という強力な中軸に加え、巧打者の
中村晃、WBCも経験した
牧原大成と周東ら豊富なタレントが上位にそろう打線の中にあって、驚異の不敗神話を誇る九番打者が、3年ぶりのV奪還に貢献する。
写真=湯浅芳昭