
木浪が輝き続ければ、チームも好調を維持するはずだ
ここまで攻守にはまるとは思わなかった。昨シーズンまで低迷していた
木浪聖也が八番・ショートで生き返った。
「チャンスに打てないと、またベンチに戻らなくてはいけない。チャンスを生かすために準備をしています」
春季キャンプから続いた遊撃のレギュラー争い。競い合った末に開幕からスタメン出場したのは同期入団の
小幡竜平だった。プロ5年目の区切り。新人時代は開幕戦から先発した木浪だが、昨シーズンは41試合、打率.204にとどまっていた。
今季も開幕から6試合ベンチスタートだった木浪の初スタメンは4月8日の
ヤクルト戦(甲子園)。そこから巻き返した。5月3日の
中日戦(甲子園)でプロ初のサヨナラ打。14日の
DeNA戦(同)で規定打席に到達し、打撃10傑に顔を出した。
木浪が「毎日結果を残すことしか考えていなかった」と振り返ったように、必死に最短距離でバットを出す打撃が実を結んだ。
岡田彰布監督も「調子がいいだけではこんなに続かんよ。技術もよぉなったんやろな。打ち方とかタイミングとかな」と目を細める。
5月いっぱいまで3割をキープしたが、3割打者の八番・木浪など想像だにできなかった。その覚醒ぶりはバットだけでなく守備力アップにも見受けられる。どん欲な遊撃の守備、外野からの中継プレーでカットマンとしての役割、ピッチャーへの声掛けなど役目を果たしている。
下位打者が出塁して上位に回る得点パターンもあれば、堅い守りで失点を防ぐ。首位を行く虎のキーマンを演じている。
写真=BBM