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オリックス・宇田川優希 闘志を再燃させて「必死にやるしかない」/離脱組の現状

 


 シンデレラストーリーを描いてきた男だが、今季の開幕後は順風満帆とはいかなかった。3月に行われたWBCの日本代表の一員として世界一に貢献した救援右腕・宇田川優希が苦しんだ。

 2021年に育成ドラフト3位でオリックスに入団。昨年7月に支配下選手登録を勝ち取ると、最速158キロの威力あるストレートや落差のあるフォークを駆使して打者を翻弄した。昨季のレギュラーシーズンは19試合に登板して2勝1敗、防御率0.81の好成績を残すと、日本シリーズでも4度マウンドに上がって、球団26年ぶりとなる悲願の日本一に貢献。歓喜の美酒を浴び、支配下登録から、わずか7カ月で日本代表に選出されるまでになった。

 代表入りの際は「本当に驚きました。トップチームはすごくレベルの高いところだと思いますけど、しっかり腕を振って頑張りたい」と力を込めていた。

 WBCでは大会期間中、2試合に登板して無失点投球で脚光を浴びた。金メダルを手に帰国し、山本由伸宮城大弥山崎颯一郎とチームに合流。開幕は一軍で迎えて9試合に登板して0勝0敗、7ホールド、防御率1.17の成績を残していたが、4月23日に出場選手登録を抹消され、二軍再調整となった。その後も一向にコンディションが上がらず、ファームで調整の日々を続けた。

 そんな中、6月7日の巨人との交流戦戦の試合前、本拠地・京セラドームでの練習に、背番号96は姿を現した。一軍昇格とはならなかったが、試合を観戦。一軍復帰へ向け、あらためて闘志を燃やすと、13日に昇格を果たして、2試合に登板して計2イニングを1失点と、完全復活への道半ば。

「完全に状態が上がってるわけじゃないですけど、一軍でチャンスをもらえて投げていけば、きっと(状態も)戻る。それを信じて、今は必死にやるしかない」

 チームは交流戦を終えて、パ・リーグの首位に浮上。ただ、上位はひしめき合っているだけに、今季も熾烈な優勝争いが予想されるとあって、勝負の夏となるだけに、右腕の力は必要不可欠。頼れるリリーバーが、今季も存在感を示す。

写真=BBM
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