復帰へ向け確実な一歩を踏み出した。6月7日。大野雄大がナゴヤ球場に隣接する屋内練習場で4月に受けた左肘の遊離軟骨の除去手術後、初めてボールを投げた。
約10メートルの距離でネットに向かって50球。「トレーナーさんのおかげで順調にやってこられた。若干早いくらいだと思います。肩周りを使ってしっかりと問題なく投げられました」。少しだけホッとした表情を浮かべた。
異変があったのは、開幕間もない4月9日の練習後。突然、左肘の曲げ伸ばしができなくなった。肘がいわゆる「ロック」された状態となってしまった。遊離軟骨は以前からあり一進一退の状態だった。
「本当は今年のシーズンオフに手術をするつもりでした。ただ、早まってこの時期にすることになってしまいました。チームには申し訳ないですけど、8月に戻れるように、やっていきたい。単なるリハビリじゃなく、レベルアップして戻りたい」
今回は患部に水がたまって腫れたと言い、「初めての症状が出て投球が厳しい状況になった」と苦渋の決断だったことを明かした。
順調な滑り出しだったからこそ、悔しさも計り知れない。今季初登板となった4月4日の
ヤクルト戦(バンテリン)では、7回3安打1失点(自責は0)と好投していた。それでもエースは前を向く。
「8月の復帰を目指してやっていきます。そのときに何とかチームが良いところにいてくれれば。それをモチベーションにトレーニングしています」と力強く語った。
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