
今季の甲斐は攻守で頼もしさを見せる
バットでも首位争いを演じるチームに貢献している。6月9日の
巨人戦(PayPayドーム)。
甲斐拓也は4号3ランを含む3安打4打点と打ちまくった。「チームの勝ちにつながって良かった。次につなぐ意識で打席に入りました」。侍ジャパンでも活躍した鷹の正捕手は、打率.180と極度の打撃不振を味わった昨季とは違った姿を見せる。
そんな甲斐のバットからは「不敗神話」も生まれた。打点を挙げればチームが勝つという“甲斐打点”神話だ。昨年5月7日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)から始まり、年をまたいで前述の試合で30連勝まで伸びた。
藤本博史監督は「甲斐がタイムリーを打てば負けないのでね。甲斐が打てば打線もつながりますよね」と笑顔。一方で、甲斐自身は「あまり考えていないというか、そういうのを言われるのは、僕はあまり好きじゃない。結果としてそうなっているなら良かったと思う」と語った。
その打点も6月29日現在、既に昨年の数字(27)に迫っている。打撃の変化については「(昨年は)自分自身守りに入ってしまっていたところもあって、なかなか割り切れないところがあった。(今年は)割り切れるところは割り切りたい。攻めるところは攻めて」と説明。しっかりと力強く引っ張る打球で長打も飛び出している。
不敗神話こそ6月10日の巨人戦で止まってしまったが、それは打点が増えてきたことの裏返しでもある。「ずっと続くことはない。少しでも勝利に貢献できるようにしたい」。代名詞の「甲斐キャノン」は肩ではなく、バットでも威力を発揮する。
写真=BBM