
まずは一軍昇格を目標に、地道に一歩ずつステップを踏んでいく
夏だ!
吉田輝星の季節だ !!
だから少し寂しい。
日本ハムの18番を背負う右腕が7月に入っても二軍で奮闘し続けていることが……。
多くの野球ファンの記憶に残っているのは2018年夏の甲子園での快投。第100回記念大会で秋田代表・金足農のエースとして臨み、準優勝の快進撃を支えた力投は感動を呼んだ。そんな野球人生の転機となった夏。リリーフとして戦っていた昨年8月も9試合登板で1勝0敗2ホールド、防御率0.87と無双した。その際に吉田は「夏ですから。僕の季節です」と、ちゃめっ気たっぷりに言った。今年も、もうすぐ8月がやってくるだけに、復調が待ち遠しい。
吉田は3月のオープン戦中に一軍から二軍へ降格。苦しむ日々が長引いている。二軍合流後は先発への挑戦から、昨季はキャリアを積み上げた中継ぎへ配置転換。試行錯誤を繰り返しながら、春先から初夏にかけて吉田の姿はずっと二軍にあった。
4月までは結果が出ず、気持ちも沈みがちだった。投球フォームがしっくりこず、投げては打たれるを繰り返した日々に「焦り気味でフォームを崩した」。コンディションを見つめ直し、フォームも再構築。地道に一歩ずつステップを踏むことで、徐々に前を向けるようになった。
リリーフとしての一軍昇格を目標に掲げる中で「将来的に先発でエースになりたい夢はあります」。短期的には完璧なリリーバーに。長期的には、この経験を生かして絶対的エースに――。一軍投手陣は総じて好調。なかなかチャンスは巡らないが、夢を持つ夏男には期待してしまう。
写真=BBM