
威力を増した直球に高校時代から得意のフォークが武器だ
高卒からプロ2年目を迎え、着々と経験値を積んでいるのが
黒田将矢だ。1年目の昨季はイースタンで10試合、37回1/3を投げ、防御率8.20だったが、常時150キロ台の速球と、高校時代から武器としてきたフォークでプロでも空振りや三振を奪える手応えをつかんだ。
昨年末の契約更改の席では球団から「まずは二軍で先発ローテーションを1年間守れるような投手になってほしい」と求められ、オフには「小さいころからのあこがれ」だった
涌井秀章(
中日)の自主トレに参加。ランニングが中心の厳しいトレーニングメニューに付いていく中で、「長年、どの球団に行っても成績を残し続けられる理由や長いイニングを投げる秘密など」を自らの肌で感じ、多くのことを学んだ。
その成果が今季の投球にもはっきりと表れている。最速は昨季より2キロ上がった153キロを計測。体力もついた。主に先発として二軍でローテの一角に加わり、8月1日現在、すでに昨季を上回る12試合、50回2/3に登板。防御率も4.09と大きく改善され、奪三振率も6.27から7.82とアップしている。
その成長を評価され、フレッシュオールスター出場が決まっていたが、直前に右浅指屈筋腱肉離れを発症し、無念の辞退。それでも、7月20日には三軍の練習に合流し、実戦復帰へ向け再スタートを切っている。
大石達也ファーム投手コーチは、「クイックなど、投げる以外の部分でまだまだやるべきことがある」としつつも、「ポテンシャルは高いし、しっかりと段階を踏んでいる」と成長に太鼓判を押す。
「早く一軍で投げたい」
そう話す黒田の目は希望に満ちあふれている。
写真=BBM