
抜群の制球力と駆け引きでゲームメークできる総合力が持ち味
金村尚真は来季、
日本ハム先発陣の柱としてフル回転するはずだ。
新庄剛志監督が今季開幕前に「マウンドでの雰囲気も、なんか堂々として見える。何年目だっけ、彼?」と冗談交じりに実力の高さを認めるように話したことがあったが、今季がルーキーイヤー。2年目を迎える2024年はシーズンを通して先発ローテを守れれば、大きな飛躍は間違いない。
今季も開幕ローテをつかんでいた。新人ながら抜てきされた理由の1つが制球力の高さ。そして、打者との駆け引きができる点だ。
建山義紀投手コーチも「落ち着いてます。けん制も単純にサインが出たからじゃなくて、自分でしたり、間合いを開けて投げたりできる」と投手として総合的なレベルの高さが、新人離れしていたのだ。
プロ初勝利も4月に挙げた。2度目の先発となった4月9日の
オリックス戦(京セラドーム)で開幕早々に12球団一番乗りで先発勝利をゲット。しかし、次の登板となった同18日
ロッテ戦(エスコンF)の登板後に右肩の違和感のため、出場選手登録を抹消された。デリケートな故障箇所を考慮して慎重に復帰過程を歩んで、一軍復帰まで約5カ月を要した。
それでもエースになれるポテンシャルは健在だ。一軍復帰戦の9月22日の
楽天戦(楽天モバイル)では6回2/3を無失点と抜群の内容で2勝目を挙げ、今季を締めくくった。リハビリ期間に肉体的、精神的にも土台づくりに励めたことはプラス要素で「来年以降は絶対にケガしない体をつくるのが目標」。新人王資格も残す右腕の来季は要注目だ。
写真=BBM