昨年の反省を生かして今年は大飛躍を誓う水上
一昨年に最優秀中継ぎ、新人王のタイトルをダブル受賞していただけに、昨年は勝ちパターンは当然、状況次第では、クローザー候補の一人としても
水上由伸の名前が挙がるほど期待値は高かった。しかし、オープン戦からまったく振るわず、開幕後も状態が上がる気配がなかったことから、2試合を投げた時点で登録抹消。ファームで調整を命じられた。再登録された7月からは球のキレも球速も戻り、安定感を取り戻したが本人は「何も働いていない。悔しいシーズンだった」と唇をかんだ。
昨年の失敗の一番の原因は、自主トレ期間に体をつくり切れなかったことだと水上は振り返る。「自分の甘さもあって、(練習量を)やり切れなかった自分がいました」。その教訓から今年は始動を早め、筋トレも内容を“キレ”重視の瞬発系のメニューに変え、質量とも「今までで一番追い込んできました」。心身とも、キャンプから戦う準備は万端だ。
リスタートを誓う今年は、あらためて武器の
シュート、スライダーを磨き直したいと意気込む。「僕、負けず嫌いなので、シュート、スライダーを、分かっていても打たれないぐらいの球質にしてやろうと思っています! そのためには、もちろん真っすぐも大事。真っすぐの質もしっかりと磨きながら、シュート、スライダーを極めていきたい」。
昨年は、「『一昨年の自分に戻りたい、戻りたい』という気持ちが強かった。でも、体も変わるし、年齢も違う。『今年の自分はこれで』と決めて、今の自分を意識して成長していけたらと思います」。
原点回帰。まずは「勝ちパターン入り」を自らに課す。
写真=BBM