
尽きせぬ向上心でさらなる高みを目指している隅田
ルーキーイヤーの2022年は1勝10敗とプロの厳しさを突きつけられる結果となった
隅田知一郎。その教訓を生かし、2年目の昨季は自身の体の特徴、的確な使い方とじっくり向き合い、投球フォームを確立。8月9日の
日本ハム戦(エスコンF)ではプロ初完投初完封を記録するなど、9勝を挙げる活躍で不動の先発ローテの一角としての信頼を勝ち取った。とはいえ、「手応えのある試合はなかった」と笑顔はない。そこには明確なビジョンと、高い向上心が表れている。
昨年末の契約更改の席で球団から「球団と言わず、球界のエースを目指してほしい」との言葉を掛けられた。それは自身も以前から抱いてきた「ライオンズでもエースになりたいし、球界としても毎回侍ジャパンに呼んでもらえるようになりたい」との思いと重なった。実現へ向けて今季掲げるのはズバリ「タイトル奪取」。中でも狙うは「最多奪三振」だ。
「三振をたくさん取るためにはイニング数を投げないといけない。150~160イニングを投げて180奪三振ぐらい取ってみたい」
長いイニングを投げる秘訣を探るべく、オフは
和田毅(
ソフトバンク)の自主トレに参加。投げるための強い体のつくり方を学んだ。
『奪三振王』はライオンズの2ケタトリオも「獲りたい」と明言している。
「
高橋光成さん、
今井達也さん、
平良海馬のタイトル争いに、僕も食い込んでいけるように、まずは規定投球回数投げて、1年間チームに貢献したいです」
意識を高く、己を追求し続けている先輩、後輩たちとハイレベルな切磋琢磨をする中で、大きな飛躍を遂げてみせる。
写真=BBM