
就任1年目の23年は5位に終わったが、逆襲を誓う松井監督
2年目の指揮となる
松井稼頭央監督が選んだスローガンは「やる獅かない」だ。この言葉は若手主体で行われた昨秋季キャンプで掲げた「レベルアップ~やるしかないやん~」の下、「選手たちが、チームとしての課題解決のために自分で考え、自分の成長のために猛練に習取り組んでくれた」(松井監督)ことから、その姿勢をチーム全体にも浸透させたいとの強い思いが込められている。
昨季はWBCで負傷した
源田壮亮を開幕から欠いたことに始まり、予想外の困難の連続だった。だが、指揮官は「逆に、そこでチャンスを得る選手がいるわけやから」と、いたって前向きだった。そして、そのチャンスで経験を積んだ選手に今季は最も期待をかけている。
児玉亮涼、
渡部健人、
西川愛也、
長谷川信哉、
蛭間拓哉、
佐藤龍世、
山村崇嘉など、いずれも逸材ぞろい。もともと、自身が二軍監督時代から指導している選手も多く、まいてきた種が芽吹き、いよいよ開花の時を迎えることを心待ちにしている。
さらに、MLB通算10年で114本塁打の実績を持つ
ヘスス・アギラー、昨季
ヤンキースに在籍した
フランチー・コルデロとクリーンアップ候補も獲得。課題の得点力改善へ向け、球団からも最大限のバックアップを得た。
投手陣は、昨季2ケタ勝利の
高橋光成、
今井達也、
平良海馬の先発3本柱に加え
隅田知一郎、
與座海人、
松本航らもまだまだ伸び盛り。若干安定感を欠いた中継ぎも、
甲斐野央、
中村祐太、ジェフリー・ヤン、
アルバート・アブレイユを補強し、厚みを増した。
「僕もチームも、今年が勝負」と話す松井監督が目指すのはメリハリのあるチーム。グラウンドに入ったら一瞬でスイッチが入る、プロの集団へと磨き上げていく。
写真=BBM