優勝に向けて、昨年以上の働きでチームをけん引していく
東克樹への厚い信頼は、簡単に揺らぐことはない。「一番近いところにいる」と
三浦大輔監督が強調した開幕投手。その座をほぼ手中に収めたのが、2月23日の
ヤクルト戦(浦添)だった。今季初の実戦登板。先発で2回無安打無失点と完璧な内容を見せた。「しっかりコントロールができて、ストライク先行で勝負ができた。順調かなと思います」。初回一死から
西川遥輝、
濱田太貴、
村上宗隆、
サンタナと4者連続三振。特に相手の四番打者には内角ボールゾーンから入る、フロントドアのスライダーで見逃し三振を奪った。
昨年は自己最高となる16勝(3敗)を挙げ、最多勝と勝率第一位の2冠に輝いた。1983年の
遠藤一彦と並ぶ、球団最多の12連勝。172回1/3で15四球と制球力も抜群だった。「ネガティブな考えを少なくして、よりポジティブに臨むようにした。メンタル的なところが変わった」。2020年に受けた左肘のトミー・ジョン手術から完全復活。全24試合で
山本祐大とバッテリーを組み、25歳の正捕手候補も成長させた。
同じ左の柱を務めた
今永昇太がメジャー・リーグのカブスへ移籍し、T.
バウアーも現時点で去就が不透明。
大貫晋一らライバルもいたが自身2年ぶり2度目の開幕投手を務めることが3月7日に発表された。3月29日の
広島戦。舞台となる本拠地・横浜スタジアムでは昨季12試合で9勝1敗の好成績を収め、セ・リーグ王者の
阪神に対しても3戦2勝、防御率0.78と圧倒した。初の大役だった22年は同じ広島を相手に6回途中4失点で黒星。新たな戦いが始まる。
写真=BBM