ベテランが快調なスタートを切った。4月6日の
広島戦(マツダ広島)。先発マウンドに上がった涌井秀章は6回1/3を無失点に抑え、今季初勝利を飾った。
この白星で横浜高からドラフト1位で
西武に入団した2005年から20年連続で白星をマークした。
「別に大したことはないです。連盟表彰があるならうれしいですけど、つくってほしいと書いておいてください」
プロ1年目から20年以上続けて勝利したのは過去7人だけ。8人目となった右腕は試合後に笑いを誘った。
投球内容もらしさ全開だった。ゆったりとしたフォームから低めにボールを集めた。「ゴロを打たせてみんなに守ってもらいました」。被安打は8。走者を背負っても、コツコツとアウトを重ねていった。
「一番力が入った」と振り返る6回の二死三塁では、昨季本塁打を打たれている
坂倉将吾をスライダーで左飛に。7回、一死三塁となったところで
立浪和義監督自らマウンドに向かい、労われながら交代を告げられた。
史上24人目となる2000奪三振をマークした3月30日の
ヤクルト戦(神宮)から、3戦で17回1/3を無失点の好投を続けている。
「昨年は自分でカウントを不利にして四球を出してしまうことがあった。それがないだけで投球がこれだけ変わってくるので続けていきたい」
今季の
中日投手陣は昨季リーグワーストだった四球(445個)を減らすことを掲げている。ベテラン自らが、そのお手本を見せている。
写真=BBM