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西武・佐藤龍世 指揮官にとって「使いたくなる選手」/ユーティリティーの極意

 

本職はサードだが、それ以外にもあらゆるポジションを守ることができる


 投手以外、捕手も含めて内野全ポジションを守れる佐藤龍世。今季も三塁を主な仕事場としつつ、一塁、二塁でも先発起用され、展開によっては試合中のポジション変更にも対応し、チームに大きく貢献している。特に今季はチーム打率、打点がリーグ最下位と打線が振るわないため、投手力を含めた守備力が勝利への大きなカギを握る。それだけに、どの守備位置でも安定したプレーができる佐藤龍の存在価値は非常に高い。

 その守備力は、本人が積み上げてきた努力の賜物だ。常に「打撃と違って守備率は100パーセントを目指さなければいけない」との意識で取り組んできた。実際、入団時から堅守と高評価され、自身の中でも自信があった。だが、昨季キャリアハイの91試合に出場し、11失策。「守備には自信を持っていたのですが、それを覆された」と猛省。これまで自主トレはほぼ打撃に重きを置いてきたが、昨オフは「まずはキャッチボールからしっかりと見直して、守備練習にも時間を費やしました」。最も重要視する“一歩目”の踏み出しやすさと、それがゆえに起こる、前に出てしまったがためのエラーとのバランスを考えた守備体勢の追求にも取り組んだ。

 守備だけではなく、打撃面でも四球数はリーグ6位タイ。さらに得点圏打率もリーグ4位タイの.313と勝負強さも発揮し、打線にも欠かせぬ存在だ(5月20日現在)。

 そして何よりの魅力は、全プレーに闘志がみなぎっていること。投手への声掛けも誰よりも多い。ユーティリティーだからだけでなく、指揮官にとって「使いたくなる選手」なのだ。

写真=BBM
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