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広島・小園海斗 「必死になってやるだけ」 勝負強さで勝利を呼ぶ男/序盤戦MVP

 

高い得点圏打率が四番としての適性を示している


 6月3日現在、24勝21敗4分けで2位の好成績を支えたのは、小園海斗のバットだ。チーム唯一の全試合出場で、リーグトップの得点圏打率.396という勝負強さでチームを勝利に導き続けた。

 5月7日の阪神戦(甲子園)でプロ初の四番に座ってから、さらに勝負強さに磨きがかかった。17日の本拠地・巨人戦では初回に戸郷翔征から決勝の適時二塁打を放った。球団では過去に延べ10人がチームの4勝連続で勝利打点をマークしたことはあったが、この一打は5勝連続のV打。さらに、翌日の同カードでも6勝連続の決勝打。新井貴浩監督は「本人も『チャンスで回ってこい!』と思っていると思う」と、笑みを浮かべながら称賛した。

 開幕から最多22試合に四番に座った堂林翔太が、打撃不振で二軍降格。指揮官は「打線を“線”として考えた」と、小園の四番起用を決めた。当人は「最初は『えっ!?』と思ったんですけど、4番目という気持ちで頑張ろうと思った。重圧はあるけど、それにとらわれず、割り切れているのかな」と、等身大で快音を響かせ続けた。6月4日の日本ハム戦(マツダ広島)では三番・小園、四番・末包昇大の並びになったがやることは変わらない。

 昨季は3、4月に打率.053と極度の打撃不振で約2カ月間の二軍生活も経験した。今季も4月中盤に一時2割1分台まで落ち込んだ時期はあったが、同じ轍は踏まなかった。今季は矢野雅哉の台頭もあり、遊撃だけでなく不慣れな三塁を守る機会も多いが、その守備面の負担も感じさせない。

「食らいついて、必死になってやるだけ。それだけ心掛けてやっていく」

 本塁打は1本だけだが、がむしゃらに、さらにチームを押し上げていく。

写真=BBM
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