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楽天・則本昂大 打者を圧倒する新守護神/序盤戦MVP

 


6月3日までに51試合を終えた時点で22勝28敗1分けでリーグ4位。低空飛行を続けるチームの中で、圧巻の成績を残しているのが新守護神の則本昂大だ。同日時点で18試合に登板し1勝0敗、3ホールド11セーブ。防御率1.00と、クローザーとして安定感抜群の投球を見せ続けている。

 4月中旬には発熱による体調不良のため「感染症特例」で出場選手登録を抹消されたが、同下旬には復帰。圧巻だったのは、開幕からの連続無失点を14試合に伸ばした5月17日のオリックス戦(京セラドーム)だ。2点リードの9回にマウンドへ。先頭の宗佑磨は153キロ直球で遊ゴロ。続くセデーニョには3球連続で直球を投じたあと、最後はこの日最速の157キロ外角直球で空振り三振。最後も太田椋を直球で見逃し三振に仕留め、たった8球でピシャリと抑えた。

 昨季まで、プロ通算263登板で中継ぎでの登板はわずか5登板のみ。先発陣の柱だった右腕が、本格的に抑えを務めるのはもちろん初めてだ。抑えの経験が少ないことは事実だが、打者を圧倒するような投球を見せ続けている。先発時代は特に立ち上がりで制球を乱す場面もあったが、18登板で与四球は2つだけ。1イニングに集中することで、その「悪癖」も改善したように見える。

 オフに自ら口説いて守護神に転向させた今江敏晃監督は「球場も盛り上がるし、相手チームに対しても圧力をかけられる」と全幅の信頼を寄せる。まるで火の玉のような直球を武器に、中盤戦以降も不動の守護神としてチームの勝利に貢献する。

写真=BBM
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