オリックスの序盤戦MVPは、5月22日の
日本ハム戦(エスコンF)で値千金の今季1号となる満塁本塁打を放った福田周平だろう。
4点を追う8回、無死満塁で日本ハムの左腕・
堀瑞輝が投じた内角高めの144キロのストレートをコンパクトに振り抜き、ライトスタンドに放り込むと、一塁ベースを回るタイミングで大きくガッツポーズを決めた。
「外野手を越えろ! と思っていたのでビックリしました。なんとかスタンドまで届いてくれてよかったです」
自身3年ぶりとなる通算5本目の本塁打は、プロ入り初のグランドスラムで試合を振り出しに戻した。ベンチに戻るとナインから手荒い祝福を受けた。
今季は4月下旬に上半身のコンディション不良で欠場した試合もあったが、早期復帰を遂げた。外野手に転向して2年目の2022年にはゴールデン・グラブ賞を獲得。リーグ4連覇を狙う今季は、開幕直後から一番に定着し、再びレギュラーの座をつかんでみせた。
「試合に出られるか出られないかは、自分で決められない。試合に出るためには結果を残さないといけないですし、自分のできることを一生懸命するだけです」
二軍暮らしが続いた昨季も腐ることなく、大阪・舞洲の球団施設で黙々と汗を流し続けた。
「言い訳を探していては、前に進めません」
常にモチベーションは高いまま。そして、最大の持ち味である全力プレーを貫くだけだ。
写真=BBM