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楽天・鈴木大地 チームを引っ張る野手最年長/わがチームのムードメーカー

 


 水のシャワーを浴びながら、歓喜の輪の中心でガッツポーズを繰り返した。4月7日のソフトバンク戦(楽天モバイル)。同点の9回一死二塁で、鈴木大地が右翼線へサヨナラ打。今季9打席目での初ヒットは、チームの連敗を3で止める値千金の一打になり「最高の気分です」と満面に笑みを浮かべた。

 練習から、誰より声を出す。守備練習中、後輩がポロリでもしようものなら「おいおい〜」など明るく愛のあるいじりで、後輩に奮起を促す場面も。球団野手では最年長の34歳は、そのリーダーシップを生かし盛り上げ役としても存在感を見せている。試合の攻撃中は、大声で盛り上げる。守備に就けば、投手へこまめに声がけ。緊迫した場面で、少しでも投手に本来の投球をさせようという思いが伝わってくるようだ。

 ただ、本人には「特別なこと」を意識してやっているという思いはないという。あくまでも、チームの一員として勝利に貢献するために――。無意識で、本心から出る言葉だからこそ、投手陣も勇気づけられるのだろう。

 移籍後初のサヨナラ打を放ったあとには「一瞬が勝負だと思っていますし、練習を手伝ってくれるスタッフさんのためにもこの結果が出て一緒に喜べたら」と真剣な表情で語っていた。スタッフへも素直に感謝の思いを口にするナイスガイだ。開幕直後は代打での起用が多かったが、6月8日時点で47試合に出場し打率.272。四番を担うこともある。経験豊富なムードメーカーは全力を尽くし、チームを引っ張っていく。

写真=BBM
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