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ロッテ・小川龍成 事前の準備とその場の観察/守備職人のプライド

 


 鮮やかな守備で魅了する。

 大卒4年目の二塁手・小川龍成が“覚醒”しつつある。5月24日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)では柳田悠岐の一、二塁間への強烈な当たりを、ライトの定位置やや前方で追いつくと、すかさず反転して華麗にアウトにした。

「あのへんに打球が多い印象が頭にあった。自分の中では『取れるアウトをしっかり取る』というだけなので、その考えを変えずにやっていきたい」。攻守の裏には、余念のない準備があった。

 ポジショニングは、試合前に根元内野守備兼走塁コーチと相手打線の各打者の打球傾向など、確認したデータをもとに判断している。さらには事前の想定に加え、「打者と投手との兼ね合いもあるので、自分の感覚で『こんな打球が来そうだ』と、常に頭に入れた中でやるようにしています」(小川)と、打者の反応を観察。試合中も常に観察し続け、好守につなげている。

 5月19日に正二塁手・藤岡裕大が離脱し、先発出場の機会が増えた小川は5試合連続のマルチ安打を放つなど、攻守で活躍。チームが2005年に12連勝を飾って以来、19年ぶりの11連勝に大きく貢献した。

 理想は、6年連続でゴールデン・グラブ賞に輝いている源田壮亮(西武)だ。プロ入り前からあこがれており、昨年1月の自主トレ期間にはともに練習する機会もあった。

「球際の強さや、守備範囲の広さもあるけど、送球ミスが本当にない。取れるアウトを確実に取っている。本当にうまいですね」と小川。ロッテが誇る守備職人が、堅守でチームを救う。

写真=松田杏子
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