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DeNA・宮崎敏郎 ホットコーナーの誇り胸に「行けるところまで、同じポジションでやりたい」/守備職人のプライド

 

試合終盤は守備を任せる場面も増えてきたが三塁手としての思いは強い


 日々、磨いているのは打撃技術だけではない。「取れるアウトを確実に取ること、投手が打ち取ったと思う打球を必ずアウトにすること。投手との信頼関係につながるので」。2018年、昨年と2度、ゴールデン・グラブ賞を受賞した三塁手。同じ内野手の大和柴田竜拓に負けじと、宮崎敏郎も高い守備意識を持っている。

 12年秋のドラフトで6位指名され入団したが、当時は中村紀洋というお手本がいた。「ノリさんの後ろでノックを受けることが多かったので。捕球からの運び、送球までどういうふうに(体の動きを)持っていくか。細かい部分もたくさん教わりました」。ゴールデン・グラブ賞7回の名手。大先輩の言葉を聞き漏らさずに吸い上げ、成長の糧とした。基本に忠実で、ひときわ低い姿勢で構えるスタイルはもはや横浜スタジアムの日常風景だ。

 若手時代は二塁から出場機会を増やし、今のポジションを完全に確保したのは17年から。「ベーシックな形よりもひと回り大きいと思います」とグラブも同じモデルを使い続けている。愛用してきたグラブにはいつしか打球が吸い付くように収まり始め、今では技術の粋が詰まった打撃だけでなく、何度も横浜スタジアムを守りで沸かせている。

 18年の11失策を最多とし、翌19年から昨年まで5年連続で1ケタ失策。「受けるというよりも、捕るというイメージを大事にしています」。今季も左太もも裏の軽度の肉離れで離脱するまで安定した守備力を発揮し続けていた。柴田らが守備固めに入ることも多いが「フル出場するつもりで準備はしています」と秘めた思いは強い。

 12月で36歳。「行けるところまで、同じポジションでやりたい気持ちはあります」とホットコーナーへのこだわりも明かしている。生え抜きの看板選手として戦う12年目。つまずきこそあったが、背番号51は夏場から攻守で見せ場をつくる。

写真=BBM
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