立浪和義監督が「守り勝つ野球」を掲げる中、2年目の田中幹也が二塁守備で好プレーを連発している。
6月2日の
オリックス戦(京セラドーム)。互いに無得点の4回だった。二死二塁から
宗佑磨のセンターに抜けるかというライナーに田中がすかさず反応。タイミング良くジャンプし、しっかりとグラブに収め、相手の先制機を潰した。
「僕はまずは守備ですから」。これだけではない。広い守備範囲でゴロに追いつき、次々とアウトを重ねている。
守備の技術は大学時代から折り紙付きだった。昨年のキャンプではプロの輪に入ってもすぐに目立っていたが、本人の目指す場所はまだまだ先にあった。田中が言う。
「うまい人はバウンドが合ってなくても、合ってないように見えない。吸い込まれるように捕っている。スピードを殺さないようにしつつ、間合いをつくれるようにやっていきたい。左足を着くのが早くて強いので、まずはゆっくり我慢することを意識しています」
ドラゴンズで言うなら、
井端弘和、
荒木雅博がそうだった。どんな打球でもグラブに吸い込まれるように見える。その領域にどうしたらたどりつけるかを常に意識している。
昨季はオープン戦で結果を残し「開幕二塁」をつかみかけていたが、けん制で一塁に帰塁した際に右肩を脱臼した。大きな期待を背負ったルーキーイヤーは大半をリハビリに費やすことになった。
「今年はなんとかやりきりたい」。今季は開幕二塁をつかみ取ると、166センチの小さな体からは想像も付かない広い守備範囲でチームを支えている。
写真=BBM