
その足はチームにとって大きな武器となっている
チーム打率.202、149得点はともにリーグワースト(6月25日現在、以下同)と得点力不足に苦しんでいる
西武。先発陣は防御率2.73(リーグ3位)と健闘しているだけに、なかなか遠い「1点」をいかにコツコツと積み上げていけるかが勝利へのカギとなる。
その中でポイントの1つが“足”だろう。チーム出塁率.266も6位であり、出塁した走者は確実にホームにかえしたいところ。そこで切り札として投入されるのが代走・
高松渡である。ここまで23試合出場中20試合に代走で起用されており、チーム最多の6盗塁を決めている上、失敗は1つだけだ。
高松自身、「代走で出たら、相手も当然『走るだろう』と思っている。そこで盗塁を決めるのは正直、なかなか難しい」と実感しているという。だが、
中日在籍時から求められてきた役割。難しいのは覚悟の上だ。その厳しいマークをかいくぐり、成功させる秘訣を自分なりに編み出した。
「左投手でも右投手でも、とにかく『投げた』と思ったら、投手を見ずに走り出します。特に左投手からけん制が来て『アッ』と思うと、一瞬のスピードが出なかったりするので、とにかくスタートを切ったら、前だけ見て走る! 何が起こっているのかは、内野手の動きで分かるので」
西武に移籍し、「スタートを切る勇気が増した」と高松。「バッテリーがスムーズに事を起こせば、いくら自分の足でもアウトになることは当然ある。それでも、自分に自信持って、これからも成功率100パーセントを目指して頑張ります」。勝利のために迷わず走り続けるだけだ。
写真=BBM