グラウンド内外で巨人の救援陣をまとめるのは高梨雄平だ。マウンドに上がれば仕事人と化し、ブルペンでは高いコミュニケーション能力で仲間たちから慕われる。
「年俸も上げていただいたので、後輩たちに僕の知っている高過ぎずおいしい食事に連れて行ってあげて、グラウンド以外のところでもコミュニケーションをとっていきたい。
大勢以外で」
昨年末の契約更改では仲のいい後輩の大勢をイジリつつ、推定年俸1億2000万円でサインした意気込みを語っていた。
春季キャンプは主に二軍で過ごしたが、初登板となった4月9日の
ヤクルト戦(鹿児島)では1点リードの6回二死満塁でマウンドへ。左打者の
西川遥輝をスライダーで二ゴロに仕留め、大ピンチを切り抜けた。「ここで(首脳陣の期待に)応えなかったら今年は終わりだなと思って投げた。全球勝負球でいった」と闘志全開の投球だった。
今季は6月20日時点で21試合に登板して12ホールド、防御率は1.76。対左の被打率.143と“左キラー”ぶりを発揮しながら、対右も.176の好成績でブルペンを支えている。
楽天時代に開設したユーチューブチャンネルでは料理の腕を披露する一面も。「ドラフト9位で楽天に入り、首元に刀が置かれている感じはずっとある。その吐き気もいい感じで、生きている感じもある」。知性あふれるトークも魅力。言葉とプレーで、唯一無二の存在感を放つ。
写真=BBM