南国・沖縄生まれの本領を見せる。前半戦で苦しんだ大城卓三は6月23日の
ヤクルト戦(東京ドーム)で、2021年10月7日のヤクルト戦(神宮)以来、990日ぶりに一塁で先発出場。五番に座って二塁打を放ち、チームの勝利に貢献した。
同6日には今季1号3ランを含む2安打4打点。「久しぶりに気持ちのいいホームランが打てました。いろいろと教えてくださったファームのスタッフに感謝したい」と表情には明るさが戻っていた。
WBC日本代表として世界一を味わった昨年は134試合に出場し、自己最多16本塁打。7年目の今季は選手会長に就任した。ただ、シーズン開幕後はドラフト同期でもある捕手の
岸田行倫が台頭。スタメン起用が減る中で持ち前の強打は鳴りを潜め、23試合の出場時点で打率.188、0本塁打と苦しんだ。
5月上旬、
阿部慎之助監督から「メインは気分転換。野球が楽しいなとか、原点に戻ってきてくれ」と二軍での再調整を命じられた。
「なかなか結果が出なかったので、もう一回鍛え直したい」と、
ウィーラー巡回打撃コーチとともに振り込み、再昇格。6月1日の
西武戦(ベルーナ)で放った中前打は、実に27打席ぶりの安打だった。「少年のような(純粋に楽しむ)気持ちは大事」と、一軍から離れたからこそ見えたものもあった。気温上昇とともに、大城のバットも熱を帯びてきた。自慢の強打でチームの力になる。
写真=BBM